被災地からの声

 岩手大学生に向けて,月1回ペースに大学構内に被災者の皆様の言葉をもとにしたポスターを掲示しています。

 このポスターは以下のことを目的に作っています。

・一人暮らしの多い岩手大学生が,今現在の自分の身を自分で守れるようにしてもらう。

岩手大学生が職に就いた後,沿岸へ行く機会が多くなるだろう。その際に備えて,沿岸地域の防災の知識についても身につけてもらう。

・被災者の方の被災経験,自然の脅威から,自分たちができること(防災など)を考える機会を作ってもらう。

 このページでは,大学構内に掲示しているポスターとその内容の説明を行なっています。

 

「大切な命は自分で守る」

  

陸前高田市 M.Yさん

  

 自分の命は誰かが守ってくれるのだと,人任せにしてはいけない。自分の命を守ることで,自分にとって大切な人の命や,周りの人の命も守ることができる。自分の命を守るための備えに,無駄なことなど一つもないのだ。

「日頃の選択を再確認しよう」 


    陸前高田市 M.Mさん


    「災害はごく平凡な日常の中,突然襲ってくる。だからこそ,自分の生活の中で様々なもしもの状況をイメージしないと,いざというときの判断が遅くなってしまう。自分の命を守るために,大切な人の命を守るために,自分の日頃の生活や選択をもう一度振り返ってみませんか?」

「まずは,となりの大切な人の防災意識を変えよう」

 

石巻市 H.Sさん

 

どこで災害に遭うかは分かりません。「まさか自分がこんな目に遭うなんて…」,という声もよくニュースで耳にします。でも経験した自分だからこそ言えるのは,自分が災害に遭うのは,もうどこにいても否定できないということです。「まさか…」と言っているのは,少し遅いです。

 

たとえ今,内陸部に住んでいても,仕事や旅行で沿岸部に訪れた際に地震が起きたらどうするのか。これを考えておく必要があると思います。意識して,被災地の教訓を知ろうとしてほしいです。たくさんの資料館を訪れてみてください。教訓の蓄積が大切です。

 

そして,まず気づいた自分から,隣の大切な人,地域の人へ,そうやって身を守る行動が広がっていってほしいと思います。

 

「もっと上に逃げた方が良い」という地元住民の声に従い,避難した学校の生徒は助かりました。それは地域との普段からの関わり,信頼関係があったからこその出来事でした。想定以上の想定を考えることも必要ですね。